Lesson8-2 子どもの命を守るために②

離れた場所にいる子どもを守るには

学校、保育園、習い事。
災害時に必ずしも大人がそばにいて、自分の子を守れるとは限りません。

離れている子どもの安全確保のために、私たち保護者ができることは何でしょうか。

普段から子どもと話しておく

もしも子どもが一人で被災してしまったら、
子ども自身が自分の身を守れるように
普段からコミュニケーションをとっておくことが重要です。

  • 仲の良い友人は誰か、家の場所、よく遊びに行く公園など
  • 登下校、習い事への通学路の共有

上記は子どもから聞いておくと安心です。

また子どもを含む家族みんなで取り組める防災として、
集合場所や連絡手段を決めておくことも重要です。

それぞれ最低でも2つ設定しておくと良いでしょう。
集合場所に設定していた場所が危険な場合もあります。

連絡先は優先順位を決め、母親に繋がらなければ祖父母、というように話し合っておきましょう。

連絡先は携帯電話に保存しておくだけでなく、
紙に書いたものを携帯しておくのが良いでしょう。

子どもの鞄の中には、名前や住所、緊急連絡先等の簡単なプロフィールを入れておくと安心です。

そして困った時には、「助けてください」と周りの大人に頼っても良いのだということを、
子どもに理解させておきましょう。

保育・教育機関との連携

子どもが保育園や幼稚園、学校にいる場合には迎えに行くのが基本ですが、
小学校以上では集団下校という対応になることもあります。

我が子が通う施設ではどのような対応になるのか、
事前にルールを確認しておくといざという時にも焦ることが減るでしょう。

連絡先も常に携帯しておくと良いですね。

勤務先からの帰宅が困難になってしまうと、子どもの安否が気になり、
冷静さを失ってしまうかもしれません。

しかし日頃から避難訓練を積んでいる先生方がそばにいるのです。
思い切ってお任せして、今自分にできることを考えて落ち着いて行動しましょう。

防災ツールを使えるように

災害用伝言ダイヤル(171)災害用伝言板(web171)の使い方も
家族で確認しておきましょう。

これらは、より多くの人々に利用方法を覚えてもらうため、
体験のサービスを提供しています。

防災マップの確認も家族で取り組むべきことの一つです。

学校や普段遊んでいる公園、集合場所を把握できたら、
実際に防災マップを作ってみるのも非常に有効だと言われています。

その際、安全な場所だけでなく危険な場所も共有しておくことを忘れないようにしましょう。

大人にとって危険な場所であれば、
子どもにとってはさらに危険であることは容易に想像できます。

子どもの恐怖心を煽るのではありません。
普段から意識できていれば自分の身を守ることができるということを
子どもに理解させることが肝心なのです。

子どもと離れている時の災害は大人も子どもも不安です。

しかしそれぞれの場所でそれぞれが正しい行動をとることで、
また再会できる時が必ず来ます。

大人も子どもも生き残ることが何よりも大切なのです。

非常事態だからこその親子の絆

「いつもと違う」ことによるストレスは子どもも同じ。
ちょっとした物音にも敏感になったり、大人から離れられなくなったり…

これらは非常事態において、当然の反応なのです。

不安で眠れなくなることもあるかもしれません。

そんな時、無理に寝ようとするとかえってストレスが増してしまうこともあります。
無理に寝かせようとせず、せめて横になって休むように声をかけましょう

絵本を読んであげたり、トランプや手遊びなどで気持ちが落ち着くこともあります。
大人がそばにいて、安心を与えてあげるようにしましょう。

しっかりと抱きしめること。
子どもの話を目を見て心の中を聞いてあげること。

非常事態だからこそ、コミュニケーションが何よりも大切なのです。

他にも、食べ慣れたレトルト食品を備えておくことで、
たとえいつもと違った場所でも安心して食事をとることができます。

「いつもと同じ」という安心感をいかに準備できるか
子どもがいる家庭は特に意識すべき防災のポイントだと言えます。



いかがでしたか?

大人にとっても子どもにとっても、
無理のない防災を日頃から継続して行っていくことで、

いざというときに一人でも考えて行動できる防災力が培われていくのです。

次のセクションでは、ペットと防災について考えてみましょう。