大切な子どもを守るために
子どもがいる家庭の避難は、大人一人で避難する場合と比較して
約3倍の労力が必要とも言われています。
突然やってくる災害からどのようにして自分と子どもたちを守るべきなのでしょうか。
ここでは子どもがいる家庭の防災について着眼して考えていきましょう。

子連れ避難の注意点
東日本大震災のような震度7以上の巨大地震の場合、
大人でも揺れている間は立っていることが困難とされています。
子どもの場合は揺れによって身体ごと飛ばされてしまうこともあります。
同じ家の中にいても子どもにすぐ手が届かない場合、
まずは我が子の命と急ぐ気持ちを堪え、自分の身の安全を確保しましょう。
大人が無事でなければ、
その後子どもとともに避難することも困難になってしまいます。
子連れで避難する際は、おんぶが一番安全と言われています。
一人で歩くことができる子どもでも抱っこが安全でしょう。
災害後の外の道は、瓦礫やガラスの破片が飛び散っていたり、
冠水していたり大変危険です。
歩かせない場合でも靴は履かせておいた方が安心です。
駅や商業施設で被災した場合、
エレベーターやエスカレーターは使用できないことがほとんどです。
大勢の人が階段を利用して避難するので、ベビーカーは置いて避難しましょう。
日頃からベビーカーでの外出の際は、抱っこ紐を携帯するようにしておくと良いでしょう。
しかし、ベビーカーがあれば重い荷物の運搬や、
子どもを寝かせる場所としても役に立ちます。
持って行ける場合は状況に応じて持ち出しましょう。
緊急事態で避難している時は、大人でもパニックになることが多くあります。
そんな人混みの中での子どもの視界を想像してみてください。
多くの人で周りが良く見えないでしょう。
一人で歩ける子どもでも決して手を離さないことが大切です。
帰宅支援ステーションを活用する
外出先で災害に巻き込まれ、交通機関が使用できない場合は、
「帰宅支援ステーション」を目指すのも一つです。
例えば、コンビニやファミリーレストランに多く、
これらは災害時に以下のサービスを提供できます。
- 水道水
- トイレの使用
- 地図やラジオ等からの道路情報
困った時は「帰宅支援ステーション」のステッカーを頼りにしてみましょう。
普段通る道にステッカーのある施設がないか、
子どもと一緒にゲーム感覚で探してみるのも良いですね。
子連れ家庭の非常用の持ち物は
子どもの事も考慮した「非常用持ち出し袋」は玄関などに備えておきます。
中身は子どもの年齢に応じて適宜見直しが必要です。
赤ちゃんがいる家庭ではふだんのお出かけ準備に、
非常用にあれば便利なものを追加します。
- 粉ミルク、調乳用の水、哺乳瓶
- レトルトの離乳食(アレルギーがある場合は対応したもの)
- 赤ちゃん用スプーン
- 母子手帳と健康保険証
避難所では乳幼児向けの物資の支給は少ないので、
オムツやお尻拭き用のウェットティッシュは多めに。
ウェットティッシュは大人の体を拭くためにも使用できます。
最近では液体ミルクも利便性や防災の観点から注目されています。
災害が起きる前に一度、家庭でも試しておくと安心です。

幼児以上の子どもがいる家庭の場合は、
旅行に行く時の持ち物に非常用グッズをプラスするイメージで
備えるのが良いと言われています。
- 雨具
- ヘッドライト・懐中電灯
- 携帯用トイレ
- 雨具
- 防寒・暑さ対策
また、子どもを抱っこする場面を考えて、持ち運びにはリュックサックを使用しましょう。
家族それぞれの分をリュックサックに備えておくのがベストです。
大量の荷物と我が子を抱えての避難は、素早い行動の妨げになります。
なるべく分散させて備えておきましょう。
自宅を1番の避難所に
家屋倒壊の危険性や、ライフラインの状況によって、
自宅で生活することが可能かどうかは大きなポイントとなります。
特に幼い子どもがいる家庭の避難、避難所での生活は、
周りへの配慮からストレスが多いものです。
可能であれば自宅避難が1番良いでしょう。
子どもは普段どこにいることが多いですか?
リビングや子ども部屋、寝室の安全確保は防災に非常に有効です。
地震が来た時に、倒れそうな家具や、
落ちてくると危険な装飾がないかチェックしておきましょう。
また、いざという時は「しゃがんで頭を守ること」「テーブルの下に逃げること」など、
普段から一緒に練習しておくことも大切です。
子どもと避難をすることには相当な労力が必要だということが、
理解できたのではないでしょうか。
次のページでは、子どもと別々の場所にいる場合の防災について学習しましょう。