ライフラインが止まったら②
ガスが止まってしまったら

ガスの供給は、台風や豪雨では停止しにくく、地震で止まることが多いです。
ただし、水害により設備に損傷や不具合が出た場合には停止することもあります。
ガスメーターには安全装置が備えられており、各家庭で復旧が可能です。
ガスにおける基礎知識と防災について見ていきましょう。
ガスの安全の基本
ガスは震度5以上の地震の揺れを感知すると、ガスメーターが自動的に停止する仕組みです。
ガスメーターに安全機能を備えることは義務化されており、10年に一度付け替えることになっています。
つまり、災害時に大切なのはガスコンロを止めに急ぐことではなく、早く復旧することなのです。
東京ガスによると、東日本大震災でのガスによる二次被害件数は、なんとゼロ。
しかし、首都圏で直下型地震が発生した場合は、ガス管等の設備に被害が出るのではと予測されています。
その場合は作業員が現場に出向いて作業と確認を終える必要があるため、
復旧に時間がかかることが懸念されています。
何らかの理由でガスの供給停止の地域に入っていなければ、
各家庭で復旧することができるので覚えておきましょう。
ガスの復旧方法

ガスの臭いが無く、ガス漏れの疑いがなければ復旧作業を個人で行うことが可能です。
- 元栓を閉じるかガスコンロなどのスイッチを全て切る
- 復帰ボタンの蓋を左に回しながら外す
- 復帰ボタンを奥まで押す
- 表示ランプが点灯したら手を離す
- ボタンの蓋を元に戻す
- 3分待つ
3分間でガス漏れがないかどうかの確認が行われます。
ランプが消えていれば異常なしです。
ガスを使用できます。
最初にガスを全て止める際、ガスメーターのメーターガス栓は閉めないようにしてください。
復旧できなければ、エリアでガスの供給がストップしていると考えましょう。
いつ頃復旧するのかなど、情報収集に努めてください。
水道が止まってしまったら

飲み水、生活用水、トイレ、お風呂など、断水が起こることでの生活へのダメージは非常に大きなものとなります。
体が水分不足になると脱水症状につながりかねません。
この飲料用の綺麗な水は、給水が開始されるまでは備蓄により補う他ありません。
生活用水も衛生環境を保つため非常に重要な役割を果たしています。
そのため不足すると健康が脅かされる危険があります。
できる限りの節水をしながら、健康のために清潔を保つようにしましょう。
飲料水を運ぶ方法
給水車による給水が始まったら、給水車から自宅まで水を運ぶことになります。
ポリタンクがない場合でも、ポリ袋+αで運ぶ方法があります。
- ポリ袋+バケツ
- ポリ袋+ダンボール
- ポリ袋+リュックサック
ポリ袋があれば、水に弱かったり汚れていて直接水を入れられないような容器でも運搬できるようになります。
台車などがあればより運びやすくなります。
近くに水をくみ上げられる井戸があるなら、浄水器を備えておけば、飲み水を確保することができます。
生活用水の節水方法
食器洗い

バケツ等を複数個用意し、流水ではなく溜めた水ですすぐようにします。
1番目、2番目…と浸けるバケツの順番を決めて洗います。
そうすることで最後の方は比較的綺麗な状態がキープされ、他の用途に使用することができます。
お皿にラップを敷けば、食器洗い自体が不要です。
紙皿など使い捨てのものを使う方法もあります。
シャワー

ペットボトルに水を入れ、数カ所穴を開けたキャップをはめて逆さにすればシャワーのように使えます。
本物のシャワーはできませんが、通常よりはとても節水できます。
ウェットシートで体を拭くのも良いでしょう。
他には日頃から水を貯めておく方法もあります。
お風呂の水は、翌日お風呂に入る前に入れ替えるようにすれば、
いつも浴槽に水がある状態をつくることができます。
水はポリタンクや空いたペットボトルに貯めることもできます。
飲み水にはなりませんが、生活用水なら活用できます。
停電が発生すると断水になってしまうこともあります。
これはマンションなど集合住宅に多く、各家庭に水を届けるために電力を使用しているためです。
戸建てでも同じような設備の場合は停電時に断水してしまいます。
停電が起きるとできなくなってしまうことを今一度確認しておきましょう。
いざという時に、ガスも水もお湯も無ければどんな状況になるのか、イメージできたでしょうか。
ライフラインがストップしてしまっても、
乗り越えるための正しい知識と生き延びる知恵をしっかりと身につけておきましょう。
それでは、次のセクションからは子どもがいる家庭での防災について詳しく学んでいきます。