ライフラインが止まったら
避難生活での厳しさ一つに、災害によるライフラインの停止があります。
地震でも台風でも、水害でもライフラインが止まる可能性があるのです。
自宅で電気・ガス・水の供給が止まったら、どう対応すれば良いのでしょうか。
自宅避難を想定して考えていきましょう。
非常用電源

最近では、自然災害の激化に伴い、ライフラインへの影響も大きくなり、
1か月以上停電が続いた地域もあるほどです。
東日本大震災では、すべての地域の完全復旧までに3か月を要しました。
電気が止まると、家電、照明、トイレなどが使えなくなります。
スマートフォンの充電もできなくなってしまい、避難生活は相当厳しいものになるでしょう。
そんな時、非常用電源が役に立ちます。
種類によって価格やメリットとデメリットがあります。
モバイルバッテリー
災害時だけでなく、日常使いにもぴったりです。
コンパクトで持ち運びがしやすいので、日々携帯しておくと良いです。
20,000mAhで約3日間使用可能です。電池式や充電式があります。
乾電池充電器

充電式の乾電池を充電して繰り返し使うことが可能です。
充電しておけばおそよ1年後でも使用可能な種類も。
乾電池があればあるほど、電力をストックしておくことが可能です。
エンジン発電機
ガスやガソリンを燃料とし、燃料がある限り発電が可能です。
ただし音と排気ガスが出るので、近隣への注意が必要になってきます。
この発電機を使用するには、燃料も併せて備蓄しておく必要があります。
価格は3万~10万円を超えるものまで様々です。
ソーラーバッテリー
ソーラーパネルで蓄電した電力で、ポータブル電源を動かし、電力を供給できるものです。
音や排気ガスを気にせず使用することができます。
パネルは折りたたみ式であれば、マンションのベランダでも手軽に使うことができます。
ポータブル電源

家庭用コンセントで充電しておけば、災害時に使用できます。
排気や騒音もなく、最近注目が集まっています。
USB接続ポートもあり、スマートフォンの充電から家電まで対応しています。
スマートフォンや小さな照明用であれば、小型のものでも十分です。
エンジン発電機・ポータブル電源は容量も大きくなるため、冷蔵庫やエアコンにも使用できます。
その際必ずAC電源が使用できるものを選ぶ必要があります。
家電にも対応可能なものは、その分高額にもなりますが、より普段通りの暮らしを叶えられます。
また、家電には消費電力の他に、立ち上げる際の起動電力が必要です。
大型家電は消費電力の1.1倍の起動電力が必要なものもあります。
発電機を選ぶ際には、容量に余裕を持って選ぶことが大切です。
車を非常用電源に
マイカーを所有していれば、災害時に車から電力供給を行うことができます。
一般的な車であればインバーターを使って、車と家電のコンセントをつなげるようになります。
車のシガーソケットに接続するタイプであれば、すぐに使用可能です。
ただし、ソケットからの電流はそれほど大きくはありません。
現在はガソリンを燃料とするハイブリット車(HV)が主流ですが、
最近ではバッテリーやコンセントが搭載された自動車も次々に発売されています。

電気自動車(EV)や、プラグインハイブリット車(PHV)がそれです。
- HV:ガソリン
- EV:電気
- PHV:ガソリン+電気
というように、何を動力にしているのかという点に違いがあります。
このうちEV、PHVは災害時に非常用電源として使用することが可能です。
100%充電した状態で4~5日は停電をしのぐことができます。
2019年の大型台風により発生した長期間の停電が深刻な状況だった千葉県に、
自動車メーカーがこれらの車を貸し出したことは大きな注目を集めました。
電気が使えないとなると、当たり前にあった日常がガラリと変わってしまいます。
もしも、の時を考えて、停電時の電力確保の手段を備えておきましょう。
では、続いてはガスや水道の停止に対する対応を学んでいきましょう。