Lesson1−2 自然災害の脅威②

自然災害の種類と怖さ②

台風や大雨、その後に起こりやすい土砂災害や高潮などについても、
その内容と脅威を学習していきましょう。

台風

台風とは、最大風速17.2m/s以上(10分間平均)の熱帯低気圧のことを言います。
熱帯の海上で発生したのち、勢力を保ったまま日本に接近・上陸すると危険です。

台風の威力には以下のような種類があります。

平均風速10~14m/s

  • やや強い風
  • 歩きにくく傘がさせないレベル
  • 街路樹が揺れ始める

平均風速15~19m/s

  • 強い風
  • 歩けず転倒するレベル
  • 屋根や瓦、看板が剥がれる

平均風速20~29m/s

  • 非常に強い風
  • 何かに掴まらないと立てないレベル
  • 瓦や看板が飛ぶ

平均風速30~39m/s

  • 猛烈な風
  • 外に出るのは危険
  • 自動車の横転や電柱が倒れる

平均風速40m/s~

  • 猛烈な風
  • 住宅やブロック塀の倒壊の発生

台風の発生に伴い、風害だけでなく大雨、高潮、土砂災害が発生する危険があることにも注意が必要です。

大雨・ゲリラ豪雨

近年その被害が大きくなってきている、雨による被害。
大気が不安定で突然豪雨に見舞われることがあります。

激しい大雨はその他の災害につながりやすく危険です。

豪雨の場合は河川の氾濫の可能性があるため、河川から直ちに離れる必要があります。
土砂災害発生の可能性もあるので、山に近い場合でも避難が必要です。

ゲリラ豪雨は短時間ですが、大量の雨が降る分、河川の水かさは急激に上昇します。
そのため状況が瞬く間に変化し、気づけば避難できない状態ということもあり得るのです。

素早く安全確保に努めることが大切です。


西日本豪雨では、四国・中国・近畿地方で記録的な大雨となり、
その降水量は中国・近畿地方で観測史上1位を記録し、死者は200人を超えました。

被害が最も大きかった広島県では、住宅の全壊が1,000棟以上、床下浸水は5,000棟以上。
また、全国で一時20万戸以上で断水が起こったという記録もあります。

土砂災害

大雨の際に注意しなければならない土砂災害。

  • 土石流
  • 崖崩れ
  • 地滑り

これらはすべて土砂災害に含まれます。

台風や大雨による降水量の影響で発生するだけでなく、地震によって地盤に動きが生まれることでも発生し、
二次災害として起こりやすい現象です。

突発的に発生するため予想しづらい上に、発生すると一気に家屋を飲み込んでしまい、
避難できる時間が短いのが土砂災害の恐ろしさだと言われています。

西日本豪雨では、広島県だけでなんと624件の土砂災害が発生しました。

高潮

台風や、大雨を降らせる大型の低気圧の接近により、海水面が一時的に上昇し、陸地に押し寄せるのが高潮。
地震によって起きる津波とは異なる現象です。

大雪

雪の降る地域では大雨同様に心配すべき災害です。
また、雪に馴染みのないエリアで大雪になった場合、対応に不慣れなため被害が出やすくなります

大雪の時には交通機関にも影響が出るため、自家用車やバイクなどで移動する人も。

雪道は滑りやすいため、相応の装備が必要になります。
徒歩で移動する際にも、転倒には十分に注意が必要です。

大雪が続き、積雪すると、外出が難しくなっていきます。
予報が出れば、しばらく自宅で過ごせるように備えをしておく必要があるでしょう。

また、ホワイトアウトや雪崩と言った現象にも注意が必要になります。

ホワイトアウト

一面が雪で真っ白になる現象のことを言います。
「白い闇」とも呼ばれるホワイトアウトでは、視界が奪われるため大変危険です。

大雪予報の時だけでなく、晴れた日に積もった雪が強風によって舞い上がり発生することもあります。

雪崩

そして、大雪の後に気をつけたいのが雪崩です。
急斜面に積もった雪は当然雪崩を起こしやすくなります。

1~2月は表層雪崩に注意が必要です。

表層雪崩とは、すでに積もった古い積雪の上に新しく大量の雪が降った場合に、
新たに積もった雪の層が、猛スピードで落ちてくる雪崩のことを指します。

突発的に発生し、そのスピードは新幹線レベルとも言われているほどです。

全層雪崩は、暖かくなってくる春先に、雪が溶け始めたことで発生する雪崩のことを言います。
全ての層が一気に動くので、大量の雪が滑り落ちてきます。

積乱雲に伴って移動する雷。
落雷は時に命を奪うこともあります。

移動のスピードは様々で、時速40kmほどの速さで進むことも。
そのため、ゴロゴロと雷鳴が遠くから聞こえても、すぐに危険が迫ってくるかもしれません。

先に雨が降り、木の下で雨宿りをしている場合、雷が近づいてきたらすぐに木から離れましょう
また、テニスコートや校庭、プールなど、周りに背の高いものが少ない広い場所は落雷のリスクが高いです。

天候が急変したら早めに離れる必要があります。

竜巻

急な局地的な突風で、建物に被害が出るほどの威力があります。

まっすぐ進みながら、周りの電柱や木や家屋をどんどん巻き上げて吹き飛ばしていくのが特徴です。
予測が難しいという点でも危険性が高いとされています。

空が黒い雲に覆われていたり、冷たい風が吹いてきたり、
既に雷注意報が発令されている場合は竜巻発生の可能性があります。

竜巻注意情報は発生直前まで発表されないので、自分でも空の様子を気にかけておかなければなりません。


ここまで、日本で起こり得る災害について一通り解説をしてきました。
台風や豪雨、大雪の後も二次災害に注意が必要だということが理解できましたか。
また、落雷や竜巻は発生頻度が低いイメージですが、命を奪う危険な現象だと言えます。

どんな災害に対しても、その内容や被害の出方をまずはしっかりと知ることが防災のスタートラインとなります。

次のセクションでは、近年発生した日本の災害について説明していきます。