Lesson1−1 自然災害の脅威①

自然災害の種類と怖さ①

まず初めに、日本で発生する自然災害にはどれくらいの種類があるのでしょうか。
災害が次の災害を呼ぶ、二次災害で命を落とすこともあります。

地震、津波、火山災害による自然の脅威について、基礎的な内容から学習をスタートしましょう。

地震

災害と聞いて一番に思い浮かぶかもしれません。
地震は日本列島周辺のプレートと呼ばれる地盤の動きによって発生します。

日本は火山もあり、地震の多い国です。
近年では震度6以上の地震が年に2~3回、震度5以上であれば年に15回程度発生しているのです。

そのため、私たちには馴染み深いのですが、地震の震度についてまずは確認しましょう。

ある地点での揺れの強さは震度で表されます。
震度の違いによる地震の特徴は以下の通りです。

震度4

  • 吊り下げられた照明などが大きく揺れる

震度5弱

  • 食器棚や本棚の中身が飛び出す
  • 断水や停電が発生し始める

震度5強

  • 何かに掴まらないと倒れるほどの揺れ
  • 重い家具でも倒れる
  • 木造住宅が傾くなど被害が出始める

震度6弱

  • 立っていられなくなる
  • 窓ガラスや外壁に被害が出る
  • 木造住宅は倒壊の恐れ
  • 停電や断水が地域レベルになる

震度6強

  • 床に這いつくばるほどの揺れ
  • 固定なしの家具はほとんど倒れる
  • 補強された木造住宅でも損傷が出る

震度7

  • 自分の意思では動けなくなる
  • 鉄筋コンクリート造の建物も傾く
  • 停電や断水が広域で発生する

近年記憶に新しい、東日本大震災では最大震度7。
阪神・淡路大震災では震度6。

熊本地震では、震度6強が2回、震度6弱が3回発生しました。

震度4でも、身の回りのものが揺れ始めるので、十分に恐怖を感じる強さだと言えます。

津波

地震の後、注意すべきなのが津波です。

しかし、津波の発生は地震の後だけではありません
火山活動や海底の地形の変動によっても発生するのです。

これらの動きが海水に伝わることで津波が発生し、津波の高さや速度は海底の地形に影響されます。

海岸に到達後、高い波は海岸部を超えて陸を進み、これを津波の遡上と言います。
波がどこを遡上していくかによって被害の出方に違いが出るのです。

波が到達する地形と遡上の関係について見ていきましょう。

河口付近

河川に沿って進むため、そのまま市街地に到達する可能性があります。

平たい海岸や砂浜

波の入り口が広いため、広範囲に進行。
勾配がないため排水できず、長時間浸水する恐れがあります。

傾斜な地形

斜面に沿って勢いよく進むため、標高の高いエリアまで進む危険性があると言われています。


津波によるたくさんの被害が出た、東日本大震災での被災者の方の主な死因は溺死でした。
地震の揺れよりも、その後の津波が多くの人の命を奪ったのです。

火山災害

日本の地形の特徴である火山。
活動を続ける火山の数は100を超えます。

火山災害とはどのようなものなのでしょうか。

火山による災害は、

  • 噴火
  • 噴石
  • 火砕流
  • 溶岩流
  • 火山灰

など、様々な被害を生み、広範囲で長期的に生活が困難になることがあります。

火山灰は視界が悪くなるため、車での移動にも支障をきたします
また、呼吸器系の疾患がある場合は特に、吸い込まないよう注意が必要です。

火山近くに住んでいる場合は、ハザードマップで自宅周辺の環境を詳しく確認しておくことや、
その火山の活動歴を把握しておくことが重要とされています。


日本列島の下には複数のプレートが存在するため、地震や火山活動は避けられない地形にあるのです。

それに伴い、津波という大きな二次災害も避けられません。

断層の上に住んでいる場合は地震に、火山近くに住んでいる場合は火山活動に注意を向けつつ、
日々備えながら暮らしていかなくてはならないのです。

続いては水害を中心にその脅威について学んでいきましょう。