Lesson11-2 災害時の非常食②

限られたライフラインでの調理法

調理なしで食べられるものも重宝しますが、
避難生活が長期化すれば同じような食事も辛くなってくるかもしれません。

何より温かい食事の大切さに気づくはずです。

温かい食事は、血流を促進し、栄養を吸収しやすくし、健康維持には重要なものです。
また、体だけでなく心にも栄養を与えてくれます。

被災した中で、できる限り温かい食事をとる方法を学んでいきましょう。

揃えておきたいグッズ

カセットコンロとカセットボンベ

火を使って調理するなら、一番簡単なカセットコンロとカセットボンベ
コンロは一つは備えておきたいところ。

カセットボンベは消耗品です。
4人家族で1か月過ごすなら、15~20本はストックが必要です。

五徳付きの固形燃料

五徳を外して固形燃料の上に置き、ライターなどで火をつければ一口コンロになります。

点火するためのライターやマッチはセットで保管を。
固形燃料を足せば長時間使用可能になります。

ラップ

食材の保存のほか、お皿に巻いて食器洗いを不要に。

アルミホイル・クッキングシート

フライパンがなくても調理することができます
フライパンに敷けば、洗う手間が省け節水にもなります。

ポリ袋

食材を混ぜたり袋ごと煮て調理ができます。
料理以外にも使用用途があるので、防災グッズにオススメです。

キッチンバサミ・ピーラー

使用後拭き取るだけで済むので、まな板と包丁で調理するよりも節水することができます。
1か月以上断水になったケースもあるので、常備しておきましょう。

食材を小さく刻むことができれば、その分調理時間を短縮できます。

ご飯を炊いてみよう

炊飯器を使わずにお鍋やフライパンでご飯を炊く方法を知っておきましょう。

お鍋編

  1. 米を15分吸水させる
  2. ざるにあげてさらに15分吸水させる
  3. 米と同量の水を追加し、蓋をして15分中火にかける
  4. お鍋の中の音が静かになったら火からおろす
  5. 10分蒸らす

フライパン編

  1. 米を15分吸水させる
  2. ざるにあげてさらに15分吸水させる
  3. 米と同量の水を追加し、蓋をして強火で5分炊く
  4. 中火に弱めて5分加熱する
  5. 火を止めて10分蒸らす

大きさにもよりますが、フライパンの方が短時間で炊き上がります

蒸らした後は別容器に移して保管します。
余熱でどんどん水分が飛んでしまうためです。

スパゲティーを食べよう

毎日お米を準備するのも大変です。

麺類なら調理時間の短縮ができるので、取り入れていきましょう。
早ゆでタイプならさらに便利です。

ジッパー付きの袋に乾麺を折って入れ、熱湯を注いで5分おけば、
大量のお湯でゆがかなくても指で切れるくらいの柔らかさになります。

スパゲティーは基本の調味料でも十分美味しくなります。
また、和えるだけで食べられるパスタソースも様々な種類で販売されています。

他にも、粉末のカップスープをソースにする方法があります。
通常よりも少ない3分の1程度のお湯で溶いて、麺と和えるだけで完成です。

パッククッキングに挑戦しよう

ポリ袋を使えば、複数のメニューを一つのお鍋で同時に調理することができます。

ポリ袋は、高温の鍋でも破れないような素材です。
保存用のジッパー付きの袋だと、鍋での加熱調理では溶けてしまうので注意しましょう。

  • ポリ袋1:ご飯
  • ポリ袋2:おかず
  • ポリ袋3:ゆで野菜

など、同時に調理を進めることができます。

ご飯は時間がかかるので、一番先に鍋の中へ投入します。

おかずは肉や魚などのたんぱく質と野菜、味付けになるような調味料やレトルト食材等を袋の中に入れ、
外から手で揉みこんでから鍋へ投入します。

こうすることで洗い物を減らせます。

火の通りにくい野菜はスライスするなどして、火の通りやすい工夫を。

ゆで野菜はマヨネーズなど好きな調味料で和えればサラダとしても。
不足しがちな野菜を補えます。

配給の食事をアレンジしよう

自宅避難では配給はありませんが、
復旧状況次第で行政やボランティアから配給があることもあります。

フライパンにクッキングシートを敷いて、お弁当を再加熱するだけでも美味しくなります。
おにぎり+お湯+出汁お茶漬けにしたり、
おかずをパンにのせてトースターで焼いて食べるなどの工夫ができます。

アレンジできれば飽きない上に、温かい食事を摂ることができます。

大雨など外に買い出しに行けない時に、家にあるものだけで調理してみたり、
夏の暑い日に火を使わずに調理してみるなど、防災クッキングをやってみましょう。

給料日前は買い足さずに、家にあるものを使って食べつないでみるようにしたり、
日頃から食材を余らせない腐らせないように消費、買い溜めしておくことも防災につながります。


被災生活の中でも日常的なご飯を再現できることが理解できたと思います。
災害時だから食べられないと諦めずに、災害時だからこそ、と考えましょう。

食事は元気の源です。
支え合って心も前向きに生きていくための大切なものなのです。

次のLesson12では、災害時の感染症について学習していきましょう。