Lesson11-1 災害時の非常食①

非常時にこそいつもの食事を

ライフラインが止まってしまっても、生命維持のための食事を止めるわけにはいきません。
災害時に適した食事とはどんなものでしょうか。

Lesson6でも備蓄量について学習しましたが、さらに掘り下げて解説していきます。

食事の大切さ

災害時の食事と聞いて思い浮かべるものは何でしょうか?
避難所で食べるおにぎりや、非常食の定番のカンパンでしょうか。

実際に被災した方たちが一番喜んだ食事、それはいつものご飯でした。
食事は人を元気にするものでなければならないのです。

食事は日々私たちを作るものであり、当たり前にあるもの。
その食習慣は少しずつみんな違っていて、みんなそれぞれの当たり前を切望していたのでした。

避難所での食事は1日2回のところがほどんど。
介護食や離乳食が必要な人がいれば、アレルギーに配慮した食事が必要な人もいます。

しかし、残念ながらこれらは避難所では手に入らないものなのです。

いつもの食事は人に喜びや安心を与えます。
特に非常事態である災害時は、より一層、食の癒しの役割が増します

非常食を備える上では、災害時でもいかに普段と変わらない食生活を送るか
ということを念頭に準備することが大切です。

ローリングストック法

ローリングストック法とは、使ったら補う、を繰り返し、常に備えのある状態を作る備蓄法です。
日用品や食品の場合は、この方法で備蓄するのが良いでしょう。

防災に特化した非常食も間違いではありませんが、
普段食べ慣れないものを食べ続けなければならないという状況は、かえってストレスになりかねません。

また、災害時に食べる用として購入しているため、平常時はしまい込みがちです。
そうなると5年持つ非常食でも結局期限が過ぎて無駄になっていまします。

そうならないためにも、普段の食事をストックしておく方が賢明です。

育児中や介護中で、普段からあまり買い物に行けないのであれば、災害時はなおさらです。
家族の好みに合わせて選び、常に備えておきましょう。

おすすめ食材

普段でも使いやすく、非常時にも適したものをストックしておきたいですね。

買い置きするならは絶対必要です。
乾物缶詰レトルト食品を中心に多めに1週間分は備えておきましょう。

主食となるものでは、米だけでなく麺類も備えておけば、調理時間が短くて済みます。

災害時に便利な食事を、日常にも取り入れていきましょう。

麺類

元々保存食として作られていたものなので、賞味期限も長めです。
そうめんは特に茹で時間が短く、消化にも良く、冷たくても美味しく食べられて、災害時に重宝します。

缶詰

長期保存でき、そのままでも食べることができます
種類も豊富で、不足しがちな肉や魚などのたんぱく質も調理なしで食べられます。

ただし量は少なめなので、主食になるものや、他の食材と組み合わせてバリエーションを楽しみながら食べれると良いでしょう。

最近では高級な缶詰もあるので、日頃のちょっとした贅沢にもなりますよ。

レトルト食品

レトルトの物も、そのまま食べることができるのが魅力です。
災害時にも、忙しい毎日にも役に立ちます。

赤ちゃんの離乳食でも、そのまま食べられるレトルト食品が多く発売されているので、
平常時から少しずつ食べ慣れさせておくと安心です。

甘いもの

チョコや飴などは被災時のストレスや不安を和らげてくれます
空腹をしのぐこともできますし、子どもも喜びます。

お餅

個包装で、消費期限も5年と長いので非常食にピッタリです。
災害時用などに水で戻して食べられるタイプもあります。

乾物の海苔やきな粉、缶詰のあずきなどでアレンジも可能です。

無洗米

同じ白米でも無洗米なら、炊くときの水だけで良いので節水になります。

ラーメン

お湯だけでできるカップラーメンは非常時も便利です。
ただ、消費期限が意外と短いことがあるので注意してください。

特売だった場合は1か月程度の場合も。
ローリングストックで消費しながら備蓄を心がけましょう。

冷凍ラーメンで、お湯を足さずに火にかけるだけで麺もスープも出来上がるタイプもあります。
ストックしておくと時間がない時でも便利です。

野菜ジュース

避難所で提供される食事に野菜はほとんど含まれていません。
栄養不足から口内炎や肌荒れでさらなるストレスを抱えるケースもあります。

野菜ジュースや、水で溶かして飲める粉末青汁などがあればビタミンを補うことができます。

また、米の備蓄でも玄米胚芽米などであれば、ビタミンやミネラルも補うことができます。

ドライフルーツ

ドライフルーツもビタミン補給に適しています。
生のフルーツと違って長期保存が可能なため、保存食として備えるのも良いでしょう。


普段の買い物で少し防災を意識するだけで、十分な食材の備蓄ができるのです。
非常時でも、家族みんなで美味しい食事を食べられたら幸せですね。

続いては、災害下でできる調理について説明していきます。