Lesson7-2 災害時の生き残り方②

火災・水害・土砂災害が発生したら

火災時の避難注意点

地震発生後は、津波のほか、火災発生の恐れがあります。
また、空気の乾燥する冬場にも火災が増える傾向にあります。

火災時の避難のポイントは3つです。

  • 早く行動し始める
  • 煙を吸わない
  • 戻らない

炎は瞬く間に燃え広がり、一般の住宅であれば5分以内に飲み込んでしまいます。
つまり火災では、避難を許される時間も少ないということです。

火災に気づいたら、周りに火事だと周知しながら避難します。

その際、決して煙は吸わないよう注意が必要です。
ハンカチやタオルで口と鼻を覆いましょう。

濡らすと煙の粒子が引っかかりやすくなり、呼吸し辛くなってしまいます。
ハンカチは乾いた状態で問題ありません。


火災時の煙には、一酸化炭素などの有毒なガスが大量に含まれています。
煙が原因で命を落とすことも多くあります。

煙を吸わないよう、なるべく姿勢を低くして出口へ向かいます。
出口がすぐ近くにあることが明確であれば、息を止めて一気に脱出することも可能です。

そして脱出後は絶対に戻らないこと。
逃げ遅れた人を助けに向かい、どちらも助からなかったという話は少なくありません。

救助はプロを信じ、まず初めに自分の身の安全を確保することは正しい行動であると認識しましょう。

水害が発生したら

台風や豪雨による、大量の雨によって水害は発生します。
この時、内水氾濫と外水氾濫(河川氾濫)に注意が必要です。

内水氾濫

1年分の雨が数時間で降るような集中豪雨の際に、地下への排水が間に合わず溢れて、
道が冠水してしまう
ことを指します。

外水氾濫

特に河川の上流での大量の降雨により、川が決壊して溢れてしまうことを指します。
内水氾濫に比べて、短時間で急激に水位が上昇しやすいという危険性があります。

内水氾濫に対しては、垂直避難が有効です。その場から真上に移動して安全を確保する方法です。
例えば自宅の1階から2階へ移動するなどがあります。

近隣の避難場所へ向かうことも垂直避難に含まれます。

外水氾濫に対しては、水平避難が有効です。
海や河川からより遠い場所へ移動することを言います。

その場にいても安全を確保できるのであれば、無理に移動する必要はありませんが、
どちらかを行えば良いというわけでもありません。

状況に合わせてより水から離れることを考え避難しましょう。

水害時の避難注意点

河川や用水路の水位が上昇してくると危険です。
直ちに河川から離れましょう。

流れが速くなったり水が濁り始めると、水位が上昇する前兆です。

上流で外水氾濫が発生すると、それまで平時通りだった下流で急激に水位が上昇することがあります。
避難を迷っているとあっという間に移動が困難になってしまいます。

こんな時は早めの行動がカギになってきます。

夜間の移動はより一層危険性が高まるので、明るいうちに行動しましょう。
浸水した道を歩かなければならない場合は、傘など長い棒を杖代わりにして安全確認を十分に行うようにしてください。

マンホールの下には大量の水が流れているので、
できるだけ近づかないように避難する必要があります。
避難所へ辿り着くのが難しい場合は、近隣の頑丈な建物に避難することも考えておきましょう。

水害は予想ができる災害です。
予測をしっかりとして早めの対策をすることが重要です。

土砂災害時の避難注意点

台風や豪雨が続いた場合、水害の次に発生する可能性があるのが土砂災害です。

水害時同様、明るい昼間のうちに早めの避難をしましょう。

冠水しそうな道路や、河川の近くは通らないようにして、
土砂災害警戒区域や土砂災害危険箇所から離れてください。

土石流の場合は、土砂が流れる方向に対し直角方向へ、なるべく高台へ避難することがポイントです。

水害や土砂災害の場合、車で避難しようとする人も多くいますが、
危険な場合もあることを覚えておきましょう。

タイヤの半分の高さまで浸水すると、ブレーキが効きづらくなってきます。
水位がドアに達する頃には、水流で流される可能性が高まります。

道が冠水し始めたら、高台の平地を目指してください。
難しい場合は、潔く車から離れる決断をすることも大切です。

車から離れる時には、緊急車両の通行の妨げにならない歩道側等に駐車します。
車のキーはつけたままにしておき、その後の移動作業に支障をきたさないようにします。


これらの災害は年中、一定の発生の可能性があるものです。
避難の注意点を理解して、落ち着いて命を守る行動を取れるようにしましょう。

続いて、避難の基本知識を改めて解説していきます。