避難行動を備えよう

避難行動は、いざという時だけの本番一発勝負ではありません。
行動であっても事前に備えることが可能です。
備蓄をしておく以外に何をしておけば良いのでしょうか。
具体的に見ていきましょう。
オリジナルの防災訓練

今や避難訓練を行う企業も多くあるかと思います。
業務を中断するのには抵抗があるでしょうが、是非積極的に参加してみてください。
自宅は郊外の一軒家で、職場は都心の高層ビルだとすれば、
避難や備えも場所によって大きく異なってくるでしょう。
見えていなかったことにも気づくはずです。
マンションなら、定期的に建物と各家庭の防災設備の点検があります。
しかし、避難訓練を行うところはあまり聞いたことがありませんよね。
避難経路を把握しておくためにも、実際の経路を事前に歩いておくのがオススメです。
乳幼児や高齢者など援助が必要な人がいる場合は、それぞれの状況を想定しておくことも重要になってきます。
よく歩く道を観察しておく
自宅から職場、学校などへの道に危ない箇所がないか確認しながら歩いてみましょう。
家の中と違い、固定されていないものも多く存在します。
地震で看板やフェンスや塀などが倒壊する恐れも。
自動販売機は、業界の主要団体によって2008年に制定された自販機据付規準により、安全対策が進められています。
倒壊の危険性は低くなっていますが、10年以上前に設置された古い自動販売機には注意しましょう。
東日本大震災のような大規模な津波では流される可能性もあります。
災害保険に入る

被災した場合、生活を立て直すためには何かとお金が必要です。
近年の災害の増加、激化から見ても、災害保険には加入しておくべきだといえるでしょう。
すでに加入している人は補償内容をしっかりと見直しておきましょう。
2016年の調査では火災保険に加入していると答えた人は、全体の約7割。
そのうち火災保険に加え、水害補償を付けていると答えた人は約半数程度でした。
豪雨による浸水は水害、強風による窓の破損で雨風の被害があった場合は風災補償でカバーされるので、
このような補償の分類にも注意が必要です。
Lesson5で学習した自宅の災害リスクを理解できていれば、
あなたにとって必要な補償内容が明確になるはずです。
防災グッズを使う
- ガスや電気を使わずに料理をしてみる
- 災害用トイレを試す
- 携帯用ラジオを使ってみる
キャンプや実験感覚で楽しみながら試しておきましょう。
災害用トイレを使ってみて初めて、目隠しが必要だと気がついたり、
携帯ラジオを触ってみてチューニング方法がわからないと気づくかもしれません。
せっかくの道具は使えるようにしておいてください。
普段当たり前に使っているガスや電気、水道を使わずに料理をしてみるのは、とても実践的な訓練になります。
一般的な非常食を食べてみるのも良いですね。
家族が喜んだものや便利だったものは、いつもストックしておくものに加えておきましょう。
非常用持ち出し袋の見直しをする
月に一度、ワンシーズンに一度、9月1日の防災の日に毎年一度、など頻度を決めて、
非常用持ち出し袋の見直しをしましょう。
食料と衣類の見直しがポイントです。
食料はもちろん期限があるので、入れ替えが必要です。
場合によっては、離乳食や介護食の必要性にも変化があることもあります。
衣類は季節によって必要なものが変わります。
見直し頻度が少ない場合は、暑さにも寒さにも常に対策が必要です。
また、子どもの服やオムツはサイズが変わっていることが多いので注意しましょう。
非常用持ち出し袋を持って、実際に避難所に行ってみるのもおすすめです。
重すぎると避難の妨げになるので、本当に運べるかどうか事前に確認しておきましょう。
家族で決めておこう

災害が起きた時に、どんな行動を取るか家族で決めておきましょう。
大切な人の安否は何よりも気になります。
- 情報収集元
- 避難場所・集合場所
- 避難のタイミング
- 離れている時に被災した場合の連絡手段
これらを決めておくと良いでしょう。
災害時には情報が錯綜するので、同じ情報を見て動けるように、どこから情報を得るのか決めておくと安心です。
東日本大震災では、家族を心配して沿岸部の自宅へ急いだ人が津波に飲まれてしまうという悲しい出来事も多くありました。
全員がそれぞれの場所で生き延びるために、事前に備える行動を身につけましょう。
物や行動を備えておけば、被災してもその後の生活の復興を早めることができます。
そして何よりも「何が起きても大丈夫」と思える安心感を持てることが最大のメリットになります。
ここまで、実際の防災において具体的な対策方法を解説してきました。
次のセクションからは、災害が起こってからの出来事を考えてみましょう。