Lesson5−4 自宅は安全なのかチェックしよう④

調湿性のある家に

気温と同じく湿度も生活の快適さを大きく左右します。
さらに、湿度は健康面にも影響を及ぼします

湿度が高いとカビが発生しやすくなり、低いとウイルスなどの菌が蔓延しやすくなります。

調湿性の高い家にしておくと防災面でも日常面でもメリットがあります。

調湿性

自宅の調湿性は、以下に気をつけて確認すると良いでしょう。

  • 家の主な素材は何か
  • 結露の発生はないか

素材

壁や床がどんな材料からできているのか確認しましょう。

家の気密性をあげて、外気から受ける影響を減らしたとしても、
家の中で発生する湿気に対する対策は必要です。

それには、必要に応じて室内の湿気を吸ったり吐き出すことができる、
調湿機能のある材料を使っていることが大切です。

例えば、以下のような材料がおすすめです。

  • 漆喰
  • 無垢の木材
  • 和紙
  • 珪藻土
  • セルロースファイバー

人工的に乾燥させたものよりも、天然で乾燥させたものの方が、調湿機能を維持したまま木材として使用することができます。

壁や床など面積の大きな部分に採用できると、家電に頼らず湿度を調節する効果が高まるでしょう。

結露

結露が発生しやすい部分があれば要注意です。
結露が多いと、カビや菌が増殖してしまい、特に木造住宅は痛みやすくなります

湿度が70%を超えると、木材を劣化させる腐朽菌の発生がぐっと増加。

カビが増えればそれを餌にするダニも増殖。
これらはハウスダストの原因となり、人体に悪影響をもたらします。

みなさんは結露といえば夏と冬どちらに多く発生するイメージを持っていますか。

実は暑くても寒くてもどちらでも結露は発生するのです。

冬の結露

冬場は暖房器具の使用により、空気中の水分が蒸発するため湿度が下がりやすい環境になります。

かつては灯油を使用するストーブやファンヒーターが主流でしたが、
エアコンや床暖房といった水蒸気を発生させない暖房器具へと変化したことで、湿度が下がりやすくなっています

そこで加湿器を使用する人も多いでしょう。
空気中の水分が増加し、湿度が上昇します。

しかし、就寝前に暖房を消すことで、室内の温度だけが下がり、加湿器で増やされた空気中の水蒸気が溢れるように結露になってしまうのです。

これが冬の結露の正体です。

夏の結露

夏場はどうでしょうか。

高温多湿の夏の日。

日中はエアコンで快適な室温と湿度で過ごしていても、夜になれば徐々に気温が下がり始めます。

就寝前に冷房器具の電源を切り、湿った外気が入ってくると、空気中の水分量は再び増えます。
溢れた水蒸気が結露として現れてしまうのです。

また、お風呂やキッチンといった水回りや、押入れやクローゼットなど締め切られた空間は
結露しやすい環境であるため、要注意です。

熱中症のリスク

湿度が高いと熱中症のリスクも増加します。

外のグラウンドだけでなく、室内の体育館でも熱中症になり得ますよね。
それは、湿度の高い空間だと汗をかいても水分が蒸発しにくく、体温がなかなか下がらないからです。

一年を通して湿度50〜60%気温20〜24度が快適に過ごせる湿度と気温の目安となっています。



断熱機能と調湿機能、そして気密性を高めることで、災害時にシェルターとなる自宅の劣化を防ぐことができるのです。

災害でライフラインが途絶えてしまっても、厳しい季節を乗り切ることができるでしょう。
防災にも日常の快適さにもつながるというのは嬉しいですね。

続いては、家の中の物など、日常的な部分をチェックしていきましょう。