Lesson9-2 ぺットの防災②

ぺットとの避難とその後の避難生活

いつどこで発生するのかわからない災害。
その時は、ぺットと離れていたり、一緒に家の外に出ている時にやってくるかもしれません。

様々なケースを想定して考えてみましょう。

ぺットと 共に家で被災

まずは自分の身の安全を優先することが何よりも重要です。
状況が落ち着いてからペットの元へ移動します。

体の小さいペットは、生存空間(安全を確保するために必要な空間)が小さい上に、
素早く動くことが可能です。

人間よりも助かる可能性が高いと考え、人命を優先しましょう。

その後リードはできる限り早く装着します。
地震の場合、余震や火災発生など、危険な状況が続きます。

避難が必要だと判断したらすぐに動けるように備えましょう。

複数のペットを飼っている場合、
一人で全てのペットを連れて避難できる方法を考えておかなければなりません。

しかし、被災したショックで脱走してしまったり、パニックで一緒に避難できないこともあります。

その場合も原則は人命優先

家に戻ったペットが生活できるよう、食料の袋は開けておき、飲料も多めに準備しておきましょう。

こうすれば、状況が落ち着いてから家に戻り再会を果たすことができることもあります。

ぺットと共に外出先で被災

お散歩中に被災するパターンを考えてみましょう。

驚いたペットが逃げ出してしまわないよう、決してリードを離さないようにします。

飼い主や周りの人が大声を出してしまうと、ペットも冷静さを欠いてしまうので、
落ち着いて身の安全を確保しましょう。

外の世界では、ブロック塀や電柱が倒れたり、瓦礫が散乱するなど危険な場所が瞬く間に増えていきます。

そのような場所には近づかないよう注意しながら、まずは帰宅を検討します。

難しい場合は、近くの避難場所へ向かいましょう。

普段の散歩コースを歩きながら、
もしもの時に備え、避難ルートを決めておくのも良いですね。

ペットと別の場所で被災

一人暮らしの場合、ペットを残して出かける機会も多いことでしょう。

そのような時でもペットの安否を確認できるように対策が必要です。

たとえば見守りカメラを導入して、
離れた場所からでもスマートフォンで確認できるようにする方法があります。

万が一、ペットを家に残した状態で被災した時のことを考え、
家の中の安全対策を徹底しましょう。

倒れてくる家具や家電製品はないか、物が飛び出してくる心配はないか、
事前にしっかりと確認しておくと良いでしょう。

キャリーケースを置くなどして、とっさの時に逃げ込めるような場所を作っておくのも良い方法です。

飼い主が震災後すぐに帰宅できるとは限らないので、
水分補給できる場所を複数設置しておくと安心です。
見守りカメラと自動給餌器が一体になった便利グッズもあります。

窓は必ず施錠して、震災に驚いたペットが逃げ出さないようにしておきましょう。

屋外で飼育しているペットの場合も同様です。
塀や物置などが倒れて怪我をしないように小屋の周りの確認をし、
敷地から逃げ出すことのないよう、環境を整えておくと良いでしょう。

ぺットレスキューステッカーとは?

ペットレスキューステッカー」は、家に残されてしまったペットを助けてもらえるように玄関先に貼っておくものです。

決まったデザインはなく、ネットでも手軽に購入可能です。

これを見た誰かが安全な場所で保護してくれるかもしれません。

あなたが残された誰かのぺットを救うこともできるかもしれません。

一方で、知らない第三者が自宅に出入りすることを考えると、
防犯面ではリスクもあり、必ずしも動物が助かるという保証もないのです。

長所と短所の両側面から考えて使用を検討しましょう。

ぺットと共に避難所へ

災害が起こった時、ペットの管理は飼い主の責任です。
ペットと一緒に同行避難することが政府の指針でもありましたね。

しかし、実際にはぺット不可の避難所も存在します。
ぺット可であっても、避難所の中では別の場所で生活することが多いのです。

動物アレルギーを持つ人や、動物嫌いの人、小さな赤ちゃんなど、
いろいろな人が共同生活を送る場所である故、規制はつきものです。

また、災害時には人の命が優先されます。
ペットの支援物資は期待できないことを覚えておきましょう。

ぺットのしつけと飼い主のマナー

ペットと一緒に避難所で少しでも快適に生活をするためには、
日頃からしつけと社会性を身につけさせておくことが大切です。

子犬は3〜16週齢の期間が社会性を身につけやすいとされています。
家の外の様々な音や人、他犬種にも慣れさせておきましょう。

慣れさせるのが困難な場合は、専門家に相談することも大切です。

噛み癖や吠え癖などの問題行動の原因が、
性格ではなく体調不良にあることがわかる場合もあるのです。

ペットが避難所で馴染めないとなると、
飼い主にとってもストレスに繋がってしまいます。

普段と違う環境でも、いつも通り飼い主の言うことを聞けるように
日頃からぺットにいろいろな刺激に触れさせておくのが良いでしょう。

そして飼い主のマナーも非常に大切です。

避難所に動物がいることを不快に思う人はいるものだと考えておくべきです。
避難所のルールは必ず守り、周りの人への配慮と感謝の心は忘れずに持ち続けましょう。

避難所からぺットのお世話に通う

ぺットと自宅避難が出来ればベストですが、ライフラインの状況によっては難しい場合もあります。

避難所には情報や物資も集まってくるので、避難するメリットもありますね。

しかしペット不可の避難所だった場合はどうすればよいでしょうか。

止むを得ず同行避難ができない時は、ペットを自宅に残し、
食事や排泄のお世話をしに通うのが良いでしょう。

離れて暮らすことで心配もありますが、ペットは住み慣れた場所に留まれるので、
実はストレスが少ない方法とされています。

動物病院ペットホテルに預けるという方法もあります。
その場所に通い慣れているほど、ストレスが少なくて済むと言えます。

避難生活が長期になるなら、
親戚や友人宅で預かってもらうことも検討しましょう。

ペットと共に車で避難生活

避難所ではペットは別エリアで過ごすことになるため、
自家用車で寄り添って過ごすことを選ぶ人も多いです。

その際、熱中症やエコノミー症候群には十分注意しましょう

ペット連れで避難所に入れず車中泊していた飼い主さんがエコノミー症候群で亡くなり、
その後ペットも亡くなるという事件も実際には起きているのです。

ペットが起こしうるトラブルもいくつかあります。

  • 窓を開けてしまう
  • ドアをロックしてしまう
  • リードが体に巻き付く

一時的に飼い主が車を離れることもあるでしょう。
その際には、運転席に近づかないように対策をしてから離れるように徹底しましょう。



災害はいつ起こるかわかりませんが、
ペットを守るための防災では、今すぐに取り組むことができることもありますね。

次のセクションでは、高齢者がいる場合の防災について学んでいきましょう。